みかん山から-2020/10/30

秋の甘夏、手のひらサイズ
▲甘夏は現在、私のこぶしよりもひと回り大きいサイズに成長しています。手の平にずっしり、重量を感じるようになりました。

前回の投稿から、ずいぶんと時間があいてしまいました。
記録を読み返すと、昨年も自然災害に振り回されていたようす。異常気象が当たり前になり、何もない年の方が珍しくなった昨今ですが、今年もまた特別な年となりました。

2020年7月3日夜、線状降水帯が次々と発生し、水俣はひと晩で400ミリを超える雨が降りました。総雨量が500ミリを超える猛烈な雨でしたが、幸い水俣では人的な被害がなく、心配されていた土砂崩れ等も小規模なものに留まりました。
しかしながら、同じ雨でも、球磨川流域では大規模な水害となってしまいました。山は崩れ、道が流れ、家屋には土砂が流入し、尊い命が失われました。

あっという間の出来事でした。
亡くなられた方の無念に思いをはせながら、心からご冥福をお祈りします。

私たちの友人知人も被災しました。中には、発生から4か月を過ぎようとしている今なお、避難生活を続けている人もいます。新型コロナウイルスの影響もあり、県境を越えた移動が制限される中、少ない数のボランティアで復旧作業にあたってきました。復興というにはまだまだ遠く、まずは目の前の土砂を少しでもなくすことに尽力する4か月だったと思います。

きばるの生産者も、芦北女島、津奈木福浦地区では特に、園地に大きな被害を受けました。裏山が崩れ、園地に土砂が流入し、甘夏の樹が埋まる。急傾斜地が崩れ、樹の根がむき出しになる。モノレールが土砂とともに流れる……恐ろしいほどの自然の力を、目の当たりにしました。

茂道漁港に集められた流木
▲茂道漁港に積まれた流木。近隣の漁業者たちが船を出し、協力して水害による流木を集めてくださいました。海水濃度が薄まるほどの雨だったと聞きます。海への影響は計り知れません。

途方に暮れるような状況でしたが、生活クラブ生協からの支援もあり、11月からようやく復旧工事を進められることになりました。会長の緒方茂実さんは「取り残されるもんがなかごつ、こういうときこそみんなで協力せんば」と、何度もおっしゃってくださいました。
きばるが柱にしてきた「互助」という精神について、今一度思い出させてもらっています。水俣病の経験から、「困ったときはお互いさまで助け合う」ことを大切にしてきました。この気持ちを忘れずに、事務局も、ともに今後の復旧作業に当たっていきます。


さて、気になる今年の作柄ですが、7月は降りすぎた雨も、8月9月と晴天が続き、甘夏やしらぬいにとって良い気候となってきているようです。また、秋の訪れが早かったために、心配されていたカメムシ等病害虫の大発生はなく、昨年に比べても被害果が少ないことが予想されます。

秋芽切り
▲足しか見えていませんが、高橋さんが秋芽を切る作業中の、一枚。

10月も雨が少なかったので、秋の玉伸びが期待できない懸念はありますが、全体として例年並みかそれ以上の収穫量が見込めそうです。

寝ぼけ花芽
▲春だと勘違いした花芽が、ぽつんと咲いていました。

朝晩の冷え込みと日中の爽やかさに、近年にない「秋らしい」日が続いています。日ごとに色づきも深まり、気持ちよさそうに風に揺れている甘夏を見ては、心が休まります。

収穫まであと3か月。無事に育ってくれよと願いを込めて、生産者は日々の管理に向かいます。

苗木2年目
▲昨年植えた苗木は、2年目を迎えています。大きくなったと思いきや、秋芽を切ったら思いのほか小さかったです(笑)。