御所浦の見回りにゆきました。
とても久しぶりの投稿で、失礼します。事務局の高倉草児です。
8月3日、晴天。この日は例年行っている御所浦の園地見回りへゆきました。僕たちが御所浦に行くのは、年に1回か2回程度。水俣から10キロとはいえ、海を隔てているのでそう頻繁に足を運ぶことができないのです。毎年、生活クラブ生協のゆとりろ(※生協の援農グループ)メンバーが来る期間に合わせて行っていますが、海を渡ることもあって、晴天を願わずにはおれません。高速船で30分ほど海をつっ走り、今年も無事、一同御所浦へ上陸。
(途中船の機械に何か絡まったとか絡まってないとかで、海の真ん中に立ち往生しました。四方を海に囲まれたところで立ち止まるのはちょっとヒヤッとします。)
現在御所浦の生産者は、冒頭の写真に写る5名。左から荒木スエミさん、荒木瑞恵さん、関和美さん、森尚也さん、関孝和さん。
いつも書いていることですが、御所浦に来たらまず
「おー、生きとったね!」
「どげんな?からだの塩梅は」
と、お互いの近況報告(生存確認)をし合います。園地の状況確認と同じくらい大切なことで、ここで「いやー、最近腰をやってしまって……」などと言われた日には身内のことのように心配をするのです。心配したからといって腰がよくなるわけではありませんが。
会長のあいさつからはじまり、いざ園地へ。
今年は雨が少なく、それは御所浦も同様。玉伸びの具合とそもそもの実のつき具合を案じていましたが、思っていたより状態がよく、胸をなでおろしました。
御所浦の園には意外と若木も多く、また今年からはじめた増改植に名乗りを挙げてくれた生産者もいるため、この先が楽しみです。

とはいえ御所浦には御所浦特有の問題があって、たとえば養殖業が盛んなため餌にカラスが群がり、ついでに甘夏も喰らっていきます。CDを吊るしたり、カラス撃ちの業者に依頼したりとあれこれ手を打ってはいますが、根本的な打開策はなく、みんな頭を悩ませているところです。
「カラスに喰われてる実を見るとね、ガクーッとくるのよ」と肩を落としながら、それでも気丈にふるまい、日々園へと足を運ぶ。そんな姿に僕なんかはグッときてしまいます。そして「この人たちがみかんをつくり続ける限り、僕らもまたみかんをつくり、届けるということを続けていこう」と思うのです。
じっさい御所浦における問題でいちばん大きいのは、島であるがゆえに運送の便がよくないことにあります。日々の運搬に際して細かく段取りをつけることができず、うっかりすると多額の費用が発生してしまう。最悪の場合、発送できるいい甘夏があるのにそれが島から持ち出せないということにもなりかねない。
なかなかに難しい問題なのですが、でもこの人たちの顔を見れば「そんな泣き言はいっとられん」と、帯やふんどしのたぐいを締めなおしたくなります。僕らは、何が何でもこの人たちのつくった甘夏を皆さんに届けたいのです。

園地の確認も大事ですし、見回り後に食べるタイのアラ煮も最高。しかし、年に1回でも御所浦に足を運ぶ最大の理由は、僕にとっては「帯やふんどしのたぐいを締めなおす」ことにあるのだと、改めて思いました。きっと来年も、同じことを思うのでしょう。
収穫まであと半年。御所浦の皆さん、きばってください!