みかん山から-2018/6/23

みかん山から2018年6月23日

「今年はなんもかんも、10日早かな~」

最近、挨拶がわりによく聞かれる言葉です。
冬が厳しかったぶん、春の訪れを、植物も喜んでいるのでしょうか。畑でも山でも、メキメキと音がするかように、生き物たちの成育の早さを感じます。

みかん山では4月に入ると樹がいっせいに芽を吹きだし、例年より1週間以上早く、甘夏の花が満開を迎えました。実のなり方も良く、今のところ順調です。大きいものでピンポン球サイズにまで成長しています。
梅雨入りを迎えてほっと一息、と言いたいところですが……ひとつだけ気になる存在があります。

それは、テッポウムシ

生産者からは「今年はカミキリムシの多かなあ」という声が出ています。確かに、園を1時間ほど歩き回ると、10匹以上は見つけられます。私たちが園で遭遇するカミキリムシは、だいたいがゴマダラカミキリムシという種類です。
テッポウムシは、このゴマダラカミキリムシの幼虫の別名。これが樹に入ると鉄砲玉を喰らったような穴があくことから、そう呼ばれています。穴が広がると樹が弱り、ひどい場合には枯れます。
まあ、そこまでの被害が出るためには時間がかかるので、よほど放置しない限りは起こりえません。ですからテッポウムシで樹が枯れたとなると、

「よっぽどやなぁ(みかん園に行かず、何もしなかったんだなぁ)」

と笑われてしまいます。ですが、みかんを育てる私達にとって、目の敵であることには違いありません。

きばるでは、一年のうち収穫後から8月31日までを期限として、化学合成農薬を5成分回数まで散布することを認めています。しかしながら、カミキリムシやテッポウムシを殺せるほどの強い農薬は、使用していません。
また卵を産みつけるカミキリムシ自体も、園を自在に飛び回るので、殺虫剤を撒いたとしても効果は疑わしいと、個人的には思っています。

では、どうするか。

卵を産む前に捕殺するしか、方法はありません。
(あるいは幼虫が入り込んでしまったら、穴に針金などの硬いものを入れて、幼虫をほじくり出します。)

カミキリムシの大きさは、そうですね……大きなゴキブリくらい。(たとえが悪いですね。笑)
大きいので目立ちますし、「ブーン」という羽音がうるさいので、そばにいるとすぐにわかります。なにより、鈍い(笑)。これですばしっこかったら手の打ちようがないのでしょうけれど、動きが鈍いおかげでかなりの確率で捕まえられます。
手の中で「ギィギィ」と鳴き声をあげながら逃げ出そうとする、カミキリムシ。その顔をよく観察すると、仮面ライダーにそっくりであることに気づきます……おおお。

みかん山から2018年6月23日

ベテランはここで迷わず、カミキリムシの首をポキリと手でひねります。しかーし、私のようなひよっこはまだ、そこまでのレベルに達していません。
私の場合は目を瞑って、持っている剪定バサミで首を落とします。
「ジャキリッ」という音とともに、ぽとりと落ちる、首……。観察していて気づいたのは、首と身体がわかれても、15分くらいは動き続けるんですよね……カミキリムシ、おそるべし。

これを残酷と思うか、どうか。ふふふ……。

カミキリムシが可哀想だと思う人は、他に良い方法があるなら教えてください……。(水につけるとか、でしょうか?)

カミキリムシは、昔から柑橘農家にとっての天敵なので、長い付き合いです。
近所の子どもたちは小遣い稼ぎにカミキリムシを捕まえていた、という話を聞いたこともあります(一匹10円だったかな?)。これからもずっとお付き合い続けるのだから、そろそろ慣れなければと思うのですが、あの存在感にはやはりいつもビクっとさせられます。
最近は交尾しているつがいのカミキリムシに出会うので、「ほんとごめん!」と言いながら殺しています。

 

そんな、梅雨の時期……。
ほどよく雨がふり、実が充実することを祈るばかりです。

梅雨明けも例年より早まるのでしょうか。台風シーズンは、もうすぐそこです。