2018年の総会をおこないました。

2018年きばる総会にて、生産者集合

一年越しの投稿で失礼をしております。事務局の高倉草児(写真最後列の一番右)です。あまりの筆不精っぷりに、我ながら呆れかえっているところです。

さて、久々のご報告はきばる総会のこと。
2018年6月22日、梅雨の合間に見事な晴天。晴れ空の下で無事に一年のまとめをすることができました。出荷が終わってからほとんど皆と顔を合わせていなかったので、

「お元気でしたか?」
「最近調子はどがんですか」

と、まずはお互いの近況を確認し合うところからスタート。
年を経て、最近は明るいニュースもあまりないのですが、それでも生産者の面々からは笑顔の消えることがないので、何というか、やはり救われた気分になります。

総会は緒方茂実会長の挨拶に始まり、まずは昨年度生産、販売の振り返り、そして会計報告を経て今年度の方針を喧々諤々議論し合う、という流れで進められました。
今回も反省点はたくさんありましたが、何といっても「付け出しの精度がよくなかった」こと、つまり収穫前の予想と収穫後の実際で、特にしらぬいにおいて誤差が大きかったことが挙げられました。
以下、このことを取り上げて文章を書きます。

 

内々の事情で恐縮ですが、予想よりも実際の収穫量が多ければ、単純に言うと売れ残りが懸念されます。売れ残った分はきばるの互助システムにより会全体の負担とするため、生産者の手取り単価に影響が出ます。
また反対に実際の方が少なくなってしまうと、せっかくいただいたご注文を順次お断りしていかねばならなくなります。こればかりは、頭を下げるほかないのですが、当たり前のことながら、消費者からの信頼を損ねることになります。

どちらにしても、いばらの道です。

だからこそ、予想と実際の誤差をできるだけ小さくしていかねばならないのですが、そもそも「正確な予想」というのは、正直申し上げて、難しい。スケジュールから考えて、みかんが色付く前に大方の把握をしなければならないのですから。
これは現事務局長の高橋が言っていますが、患者家庭果樹同志会として結成してから40年来続く、根本的な問題です。であればなおさら、避けては通れないわけで……一朝一夕に解決する問題ではないので、根気強く四つに組んでとりかからねばならないと思っています。

そうでなければ、第二の甘夏事件が出てしまいます。

要素はいくつかあるはずです。

  1. まずは生産者それぞれが自分の園に精通すること。穏やかで何もないときの収穫が平均どのくらいで、病気が発生したり不測の事態が起こったときにそこからどれだけ差引をするか、計算できる目を養うこと。
  2. 青果率(出荷できるみかんの割合)を上げること。これは生産基盤の強化と連動します。会として栽培技術を研磨することはもちろんですが、使用農薬や肥料の取捨選択やそれらに代わるものを新たに試みる姿勢をつくること、増改植により未来への種をまく、化学合成農薬の使用をできるだけ減らしていくならば出荷基準の見直し(外皮の基準の緩和等)を図る等々、考えなければならないことは多岐にわたります。
  3. 収穫量の増減が発生した際、販売をするものとしての事務局が軽やかなフットワークで方々をめぐることも必要でしょう。このご時世に甘いと言われるかもしれませんが、融通の利くお付き合いの幅を広げていく可能性も検討しなければなりません。今どきの販売戦略を立てるという作業は、きばるが不得手とすることのひとつであります。
  4. きばるがつくりあげてきた「互助」というシステムをどう捉えなおすか。

等々……。文字にするだけで気が滅入ってきますが、会議の中でこれに対する提案や生産者からの意見等も多く出て、皆が真剣に受け取ってくれているようすがはっきりわかりました。
危機感のあらわれでもありますが、今総会には、何かいつもと違う雰囲気を感じ取ることができました。

大事なのは、これらの反省を前に尻込みするのでなく、これをチャンスとして前向きに捉えること。言葉だけで終わってはつまらないので、日々の実践の中でマイナーチェンジを繰り返していくこと。試みと省みを続けていくこと。

そして何より、
「甘夏が好きだから」
と言い続けていくこと。甘夏に対する情熱を失ってしまっては、元も子もありませんから。

紆余曲折ありながらも、甘夏を育てる会として40年続いてきたきばるは、我々にとって宝ものです。「変わらないために変わり続ける」ことの重要性を、この数年、(個人的にではありますが)身に沁みて感じている次第です。
※先日たまたま同じ題名(「変わらないために変わり続ける」)の文庫本を見つけて読んでしまいました。本の受け売りではありません、念のため。

 

さて総会は懇親会へと移り、皆がお互いの労をねぎらいながら(ときに意見をぶつけ合いながら)和やかに時は流れ、珍しく若手生産者の田上さんによる締めの言葉でその幕を閉じました。

ようやく、一年の区切りです。
そしてこれからまた新たな一年が幕開けます。というかすでに園では始まっているのです。

生産者の皆さん、おからだに気を付けて作業に励んでください。
ご縁をいただいている皆様、甘夏を食べてくださるという行為を通じて、今後とも我々の生産活動にお付き合いいただけますならば幸いです。

それでは、また。