みかん山から-2016/10/19

みかん山から2016年10月19日

キンモクセイの香りがどこからともなく漂ってきて、日が暮れるのも早くなり、日射しがだんだんと柔らかくなってきた、今日この頃……季節はすっかり秋ですね。
しかしながら、さすがの南国水俣。まだまだ気温が30度を超える日もあり、暑さと涼しさを行ったり来たりする日々です。

みかん山では、仕上げ摘果をしながら園を見回る作業が続きます。
雑草の茂る勢いも少しずつ落ち着きはじめ、撒いた肥料や堆肥がフカフカして気持ちよいので、園地を歩き回るにはもってこいの時期です。
が、いかんせん、クモの巣だらけ。

みかん山から2016年10月19日
みかんの樹々の間に張り巡らされたクモの巣。害虫を捕食してくれたりするので、園にいなくてはならない大事な存在です。

あちらこちらに張り巡らされる蜘蛛の巣を全身で受け止めながら、もうこれ以上は摘果したくない(収量を減らしたくない)という気持ちと、これを落とさないとこの樹が小玉傾向になってしまうかもしれないという気持ちが、せめぎ合います。
現時点で7.5センチあれば、収穫時にはきばるの出荷基準である9センチに達すると言われていますが……7.5センチに満たない実を、心を鬼にして落とす作業は、私にはあまり向いていないようです(笑)

さぁそして、きばるでは同時進行で「改植」(古くなった樹を新しい苗木と植え替える作業)を進めるための準備をしています。

会員の樹の中には古いもので樹齢が50年を超える樹もあり、加えて異常気象が毎年起こるような環境の変化もあって、現場では収穫量の減少や深刻な病虫害被害に悩まされています。さらに、後継者がほとんどいないという現実も、私たちは目の当たりにしています。

「今までよくやってきてくれた」と労いつつ、その樹を切って次の世代に引き渡すための準備をするという決断は、その未来に自分がいないかもしれない(というか、いない)高齢の生産者にとっては、とても重いものです。
けれども「樹も人も、世代交代をしていく」ということに対して希望を持って、誰が継ぐかはまだ分からないけれどとりあえず植える、と決めてくれた会の姿勢に、改めて心の引き締まる思いがしました。
個人的には1反ほど、遊んでいた土地を新たに整備して、植え替えの準備を進めているところです。

みかん山から2016年10月19日
防風林を伐採し、草を薙ぎ払い、定植のための空間をつくります。

茂り過ぎた防風林をチェーンソーで切りながら、またイノシシの遊び場になる草場を機械で刈り取りながら、「最初にここを開拓した人たちは、全部手でやったんだよなぁ……」と考えると、想像を絶する苦労に身震いがします。

その時代と比べればずいぶん楽をできるようになりましたが、私も彼らと同じように、40年後の未来を今、つくっています。気合を入れて、がんばります。